2017年 03月 22日
アンチヘブリンガン
みなさま、この名前なんだかわかりますか?




これ、実はクスリの名前。
救命丸や正露丸と同じくこのように表記します。

一説には風邪薬、一説には胃薬。
諸説ありますが、昨日このクスリの名前のついたお店に伺いました。
場所は水道橋。お店のカテゴリーは「食堂」であります。
あれ?このクスリの名前、どこかできいたことがあるなぁと思ったら、そうです、小津監督の映画「秋日和」にこのクスリ、登場するのです。
「秋日和」では原節子さん演じる秋子がクスリやの美しい娘という設定なのですが、近所の大学に通う学生たちの間でその昔秋子は憧れのマドンナ的存在で、
その美しい娘みたさに、学生たちが足繁くそのクスリやに通っていたという話がでてくるのです。
劇中の会話はざっとこんな感じ。
「本郷三丁目の青木堂の近所にクスリやがあってね。そこに綺麗な娘がいたんだよ。
こいつ、用もないのに膏薬買いに行くんだよ」
「お前だって風邪もひいていないのにアンチピリンだのなんだのって買いに行ってたじゃないか。アンチヘブリン丸なんてのも買ってたぜ」
「あぁ、ハカリ印のか」
たったこれだけなのですがこのアンチヘブリンガンなるクスリの名前、これは私の中でかなりインパクトのある名前でした。
さてさて、店に伺えばそりゃこの名前を店につけちゃったくらいですもの、かなりの映画通、そして小津フリークのご夫妻がオーナー。
なんと奥様は本当にクスリやのお嬢さんなんだそうです。

ほら、入り口ドアだってなんかレトロ。
ご主人が脱サラされて始められたお店だそうで、旬の食材を使った美味しいお料理とお酒を楽しめます。

ちなみに店内で流れていたのはこれ。
こんなCDあるんですね!

たくさん映画の話もさせていただき、ご夫妻のようなあつ〜い小津ファンがいるからこそいつまでも小津映画は愛されているのだなぁと思った次第。
また是非伺いますね!
あ、そうそう。宣伝をわすれずにしなくては。
春爛漫の赤坂で、みなさまをお待ちしておりまーす。
by nakai_otf
| 2017-03-22 17:06