月下美人

昨夜、お隣のおうちから「月下美人が咲きましたよー」とお声をかけていただき、家族みんなで見に伺いました。
「月下美人」は一晩だけ美しい大輪の花を咲かせるサボテン科の植物。まさに美人薄命。月明かりのもと、数時間の短い命の時間に美しく開花します。

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なんと隣家のこの月下美人、6輪も花をつけていて伺った時は5輪が満開。
実はこの鉢、我が家の月下美人を私の母が株分けして差し上げたものとか。
そういえば我が家にもこの花があり、子供心にもこの花が咲く日は大人が大騒ぎして、花が開くと寝ていても起こされた記憶があります。


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もうあとはしぼむだけといって母の仏前に一輪切ってくださいました。
こんな風に葉っぱの先から花がでているんですよ。

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我が家の月下美人は一体どこにいったのかわかりませんが、こんな風に大切に育てていただいて感激でした。

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来年もきっと美しくはかなく咲くことを祈って。

# by nakai_otf | 2017-10-01 11:05

麦秋

23日に蓼科高原映画祭で「麦秋」の初演を終えました。
「麦秋」は音語り「小津安二郎の映画を聞く」シリーズの第6弾、4年ぶりの新作です。
「晩春」「秋日和」「東京物語」「お早よう」「秋刀魚の味」と5作作り、これで終わりと思っていたのですが、
御年92才になられた山内静夫さん(かつての小津組プロデューサー)が昨年の円覚寺の公演の時に何を思ったか
「実はもう一本やりたいと思っていましてね・・・」と突然皆様の前で「麦秋」を手がけると発言されたのです。
「えーーー!」「きいてない!」「ほんと?」「これから?」様々な感嘆詞、疑問詞が私の脳裏を駆け巡ったのですが、
なんとなんとあれから一年で本当に本当にできてしまいました。

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「麦秋」は昭和26年の作品です。
小津映画の中では原節子さんが同じ「紀子」という名前の役を演じていることから「晩春」「麦秋」「東京物語」、この三つの作品を「紀子三部作」と
よんでいます。(紀子は名前が同じだけで3作品生い立ちは違う紀子です)
「麦秋」は主人公の紀子の結婚を機に、今まで一緒に暮らしていた家族がばらばらになっていく物語ですが、そこには現代に通じる老老介護、家族のありかた、そして
女性の生き方などが描かれています。
映画は映像があるのでその映像とともに台詞=言葉を楽しんでいただきますが、音語りは言葉で映画を聞いていただくものです。
映像は言葉を聞きながら皆さんの頭の中で自由に描いていただくのです。
原節子さんを知らない世代の方には紀子はまた違った女性として写るでしょう。
戦後のあの頃をよくご存じの方にはきっと言葉の端々に昔の情景を思い出していただけるでしょう。
あの頃の家族像と今のご自分の家族像を重ね合わせたり、今も昔も変わらぬ親の子に対する思いについ涙したり
それぞれの観客がそれぞれの「麦秋」という映画を作っていただくのです。
おかげさまで蓼科高原映画祭に来てくださった皆様にはできたてのほやほやの「麦秋」を聞いていただきました。
会場に足を運んでくださった皆様、初演を温かく見守っていただきありがとうございました。
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:山内静夫さんとエピソード対談も

ちなみに「麦秋」とは「秋の季語」ではありません。麦が「実る」時期は「初夏」で、「実りの秋」ということから麦の秋=初夏
の季語です。梅雨の前の空気の乾燥した実に良い季候の頃ですが、それは一年を通してとても短い季節。もしかしたら長い家族の歴史の
中でその一番良い季節の家族を描いているのかもしれないと思いました。

10月の円覚寺で続けて「麦秋」を上演いたします。
是非秋の北鎌倉へ・・・。



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:終演後、お手伝いをしてくれた地元の高校生と!


# by nakai_otf | 2017-09-26 18:30

懐かしの味

今年24歳になる二女と近くのスーパーに買い物に行くと、大きな冷凍庫の前ではたと立ち止まった二女。「ねーなんだっけ?お弁当によーく入っていたの」。
ささやかなポリシーとして冷凍食品はなるべく使わないようにしていた私が唯一これだけは便利とお弁当に入れていたのが、小さなコーンクリームコロッケでした。一個の大きさが幼稚園児にちょうどよく小さなお弁当箱に収まりもよかったです。
冷凍庫の中を探すとありました、ありました。

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いまも燦然と輝きたくさんのお弁当を彩っているのでしょう。「久しぶりに食べたい」というリクエストにお応えして何十年ぶりに購入。
長女と同じものを食べさせ、同じように育ててきたのに食の好みが全く違う長女と二女。幼稚園のころ「お弁当のおかずなにがいい?」ときけば必ず「おちゃちみ」というくらいの魚好きの二女。
「うーん。お刺身はお弁当に入れられない」というと「なんでー?」と毎日のようにつっこまれていたあの頃が懐かしい。
それでもこのコロッケが懐かしくなるのだから子供の味覚は面白いです。
久しぶりにちっちゃなお弁当箱にお弁当作りたくなりました。

# by nakai_otf | 2017-09-18 14:56

いよいよ佳境

音語りシリーズ「小津安二郎監督の映画を聞く 第6弾」の初演が迫ってきました。第6作は「麦秋」です。
思えばこの新作、今年93歳になった山内静夫さんの失言?!から生まれた作品。
このシリーズはすでに「晩春」「秋日和」「東京物語」「お早よう」「秋刀魚の味」と5作品作りこれでおしまいかと思っていたのですが、昨年の円覚寺の公演のとき、山内さんが皆様の前で「実はもう1作品作ろうかと思ってます。
『麦秋』をやってないんでねぇ」と。
あらー、横で聞いていたわたしは??!!とビックリ!それから今年の秋の初演に向け作業が始まりました。
映画の台本を朗読の台本に仕立て上げる作業はなかなか大変です。なにせ二時間の映画の作品を一時間の朗読で聞いていただき、その映画を言葉だけで伝えようというのですから。
台本は直しに直しを重ね、そして音楽を入れ、いままさにその作業は佳境に入りました。

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初演は蓼科高原映画祭ですが、10月の円覚寺で東京近郊の皆様にお披露目いたします。

そんなわたしのところに今日、小津家から恒例のお庭で咲いた彼岸花が送られてきました。
今年は夏前半の異常な暑さの中、秋の花が早く咲いたようです。

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お母様の時代から長くお届けくださった彼岸花。安二郎監督の姪御さんにあたる亜紀子さんから、「二代に渡りお届けしてきた彼岸花、転居により今年が最後となります」とお手紙が入っていました。これが届くと「秋のはじまり」と思っていた彼岸花。
なんとも、儚げなこの花、私は大好きです。
ほんとに長い間ありがとうございました。

さて「麦秋」はもうすぐ完成の日を迎えます。
蓼科、そして秋の北鎌倉で皆様に楽しんでいただけるよう精進いたします。


# by nakai_otf | 2017-09-12 13:58
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